Story 8 ダイヤモンドジュエリーのお手入れ

地球上で一番硬い物質だから、ダイヤモンドはどんなに乱暴に扱っても大丈夫と考えがちですが、実は割れることも欠けることもあります。
八面体の結晶に並行に力を加えると、比較的小さな力で石が割れてしまいます。
これは「劈開(へきかい)」という性質です。そのため、硬いダイヤモンドでも方向次第ではとても壊れやすい存在なのです。

 

そのため、もしもふとした拍子に堅い床などに落としてしまうと、あたりどころが悪ければと破損につながる可能性もあります。
ダイヤモンドに限らず、一般に宝石は衝撃に弱く、硬いが脆いのです。ですので、衝撃を与えないように取り扱うことが大切です。

 

エンゲージリングなど、指輪に留められたダイヤモンドは、いつもゆるみがないかチェックしておくことが大事です。長時間の使用で枠が変形すると、ダイヤモンドを留めている”爪”も影響を受け、石が動き出すことがあります。
同様にサイズ直しも工程の上では枠を変形させることと同じため、極端なサイズ直しは行わないことがおすすめです。

 

ダイヤモンドの美しい輝きを保つためには定期的なクリーニングが欠かせません。
実はダイヤモンドは、油に馴染む性質を持っています。指などで直接触れる度に油脂がついてしまいます。そのため、使っている間に輝きを失いやすいのです。
そのため定期的なクリーニングをおすすめしています。店頭では無料でクリーニングを承っておりますが、ご自宅でも簡単にきれいにすることができます。
ぬるま湯に中性洗剤(食器洗い用の洗剤など)を1~2滴たらし、柔らかい歯ブラシなどを使い磨きます。
その後水ですすぎ、自然乾燥をすれば輝きは元通りに。ぜひご自宅でのお手入れの参考にしてください。

 

<参考文献>
諏訪恭一『価値がわかる宝石図鑑』ナツメ社
『ジュエリーコーディネーター検定3級』一般社団法人日本ジュエリー協会