【Podcast】ルネ・ラリックの生涯と芸術

※この記事はHASUNAのPodcast番組「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」2025年1月22日配信分の要約です。

こんにちは、HASUNAの白木夏子です。こちらは私たちのポッドキャスト「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」の内容をもとに、宝石の歴史や石の魅力などをお伝えして参ります。

今回は新春特別編として、昨年末に私が訪れた、箱根にあるラリック美術館とルネ・ラリックについてお話しています。ラリック美術館は(私は鎌倉に住んでいるのですが)鎌倉から40分程でアクセスできる場所にある私設の美術館です。(都内からは2時間~2時間半程のようです。)近くには印象派絵画で知られるポーラ美術館もあり、自然とアートを体感できる絶好のポイントとなっています。

2007年にオープンしたこの美術館は、フランス人ガラス工芸の巨匠ルネ・ラリックの作品を専門に展示する素晴らしい美術館で、約1500点ものラリックのジュエリーやガラス工芸品が展示されています。

美術館の魅力

建築と庭園

フランス人建築家マリオ・ボッタによって設計された美術館の建物は、白い大理石で覆われた外観が特徴的です。内部は自然光を取り入れた明るい空間となっており、箱根の自然と見事に調和しています。庭園も美術館の魅力の一つです。特に夏季には、睡蓮の池が美しく、モネの絵画を思わせるような光景が広がります。美術館内のカフェも魅力的で、芸術鑑賞の合間にくつろぎのひとときを過ごすことがと合わせて

ルネ・ラリックについて

ルネ・ラリックは1860年頃にフランスで生まれ、20歳前後からフリーランスの宝飾デザイナーとしてのキャリアをスタートさせました。アールヌーヴォー様式のジュエリーデザインで名を馳せた後、ガラス工芸で大成功を収めます。カルティエやブシュロン、ティファニーなどの著名な宝飾店にデザインを提供していたことでも知られ、特にアールヌーヴォーからアールデコへの移行を象徴するデザイナーとして知られています。

ジュエリーからガラス工芸へ

ラリックは最初、アールヌーヴォー様式のジュエリーデザインで名を馳せました。曲線が豊かで自然をテーマにした繊細なデザインが特徴でした。その後、1900年頃からガラス工芸に興味を持ち始め、徐々にその分野へシフトしていきます。

ラリックの作品の特徴

ジュエリー作品

ラリックのジュエリー作品の中でも特に印象的なのは、トンボをモチーフにしたペンダントです。繊細なエナメルを使用した色彩の美しさは、100年以上経った今でも息をのむほどです。

ガラス作品

ラリックのガラス作品は、独特の質感と透明感が特徴です。失蝋法という技法を用いて繊細な模様や立体的な表現を実現し、フロスト加工を施すことで柔らかな光の効果を生み出しています。色彩の使い方も特徴的で、特にオパールセントと言われる青みがかった乳白色の半透明ガラスを使用することで、幻想的な雰囲気を作り出しています

ラリック美術館は、芸術と自然が見事に調和した空間で、ルネ・ラリックの革新的なデザインと卓越した技術を体感できる素晴らしい場所です。箱根を訪れる際は、ぜひ足を運んでみてください。

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