【Podcast】古代ギリシャとエトルリアのジュエリー:宝石の歴史を紐解く

※この記事はHASUNAのPodcast番組「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」2024年11月27日配信分の要約です

#17💎古代ギリシャとエトルリアのジュエリーPodcast Episode · Gemstone Journey 宝石と旅に出よう · 11/26/2024 · 14podcasts.apple.com

古代ギリシャとエトルリアのジュエリー:宝石の歴史を紐解く

こんにちは、HASUNAの白木夏子です。今回も、私たちのポッドキャスト「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」の内容をもとに、人類最古のジュエリーから古代エジプトの宝飾品まで、宝石の歴史について深掘りしてみたいと思います。

古代ギリシャとエトルリアのジュエリー:歴史と現代への影響

ジュエリーの歴史は人類の文明と共に歩んできました。今回は、古代ギリシャとエトルリアのジュエリーに焦点を当て、その特徴や現代のジュエリーデザインへの影響について探ってみましょう。

古代ギリシャのジュエリー

古代ギリシャのジュエリーは、権力や神々の祝福の象徴として重要な役割を果たしていました。紀元前1400年頃から、ギリシャ人は金や銀、象牙、さらにはアメシスト、真珠、エメラルドなどの宝石をジュエリーに使用し始めました。初期のギリシャのジュエリーは、他の文化に比べてシンプルなデザインが特徴的でした。しかし、時代が下るにつれてデザインはより複雑になり、素材も多様化していきました

ジュエリーの護符としての役割

古代のジュエリーには、単なる装飾品以上の意味がありました。例えば、トルコのナザールボンジュウは、邪視や嫉妬から身を守る護符としての役割を果たしていました。この伝統は現代まで続いており、ナザールボンジュウが割れることで身を守ってくれるという信仰が今でも存在します

*註釈
ナザールボンジュゥ、英国圏ではイーブルアイ、ギリシャではマティ等と呼ばれる魔除けのお守り。青色・水色・白色の着色で目玉の形をしており、災いが降りかかると、この目玉たちが身代わりとなって割れると言われる。

エトルリアのジュエリー


エトルリア人は北イタリアを中心に栄えた古代の民族で、その洗練されたジュエリー技術で知られています。エトルリアのジュエリーの特徴は、微細なグラニュレーション細工や線細工にあります。特に指輪を飾るのにグラニュレーション細工を用いたことで有名です。また、ギリシャの影響を受けて、スカラベ(聖なるフンコロガシ)付きのスイベルリングも作られました。スカラベは幸運の象徴とされ、ジュエリーのモチーフとして人気がありました

*註釈
・スイベル(Swivel)リング:2つの接続点があって回転できるようにした仕組みのリング

・グラニュレーション細工:粒金細工。表面に極小の地金の粒を溶接して表現する技法

古代ジュエリー技術の現代への影響

古代の技術は、現代のジュエリーデザインにも大きな影響を与えています。シンプルで洗練されたデザイン、自然をモチーフにしたデザイン、高度な金細工技術など、古代ギリシャやエトルリアのジュエリーの要素が現代のジュエリーにも生かされています。19世紀半ば以降、ヨーロッパではエトルリア様式が流行し、特にカステラーニ一族が古代エトルリアのジュエリーを研究し、その技法を復活させました。これは、失われつつあった古代の技術を現代に蘇らせる重要な取り組みとなりました。

まとめ

古代ギリシャとエトルリアのジュエリーは、その時代の文化や信仰を反映する重要な遺産です。そのデザインや技術は、数千年の時を経て現代のジュエリーにも影響を与え続けています。私たちHASUNAは、このような豊かな歴史と伝統を尊重しつつ、現代的な解釈を加えたジュエリーを創造することを目指しています。

次回は、12月の誕生石について詳しくご紹介する予定です。お楽しみに!