【Podcast】神秘の石 ラピスラズリと西洋美術

※この記事はHASUNAのPodcast番組「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」2024年12月25日配信分の要約です。

ラピスラズリのお話:3

こんにちは、HASUNAの白木夏子です。

こちらは私たちのポッドキャスト「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」の内容をもとに、宝石の歴史や石の魅力などをお伝えして参ります。今回は、ラピスラズリと西洋美術の関係について探る特別編をお届けします。

ウルトラマリン:貴重な青の顔料

ラピスラズリは西洋美術史において非常に重要な役割を果たしてきました。特に、ウルトラマリンという高価な顔料の原料として珍重されていました。中世からルネサンス期にかけて、ウルトラマリンは最も高価で貴重な顔料の一つでした。その美しい青色は「天国の色」と呼ばれ、多くの芸術家を魅了してきました。

ルネサンスの巨匠たちとラピスラズリ

ルネサンス期の巨匠たちも、ウルトラマリンを好んで使用しました。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの作品に見られる鮮やかな青色は、このラピスラズリ由来の顔料によるものです。特に、聖母マリアの衣装にウルトラマリンが使用されることが多く、青色は聖母マリアのシンボルとして認識されるようになりました。

フェルメールの傑作とラピスラズリ

バロック期に入ると、ヨハネス・フェルメールの作品でウルトラマリンが特徴的に使用されました。特に有名な「真珠の耳飾りの少女」では、少女のターバンに印象的なブルーが使われています。この鮮やかな青色と、黄色との対比が、多くの人々の心に残る美しさを生み出しています。

イタリア・アッシジの天井画

イタリアのアッシジにある聖フランチェスコ聖堂には、ラピスラズリの青色で彩られた見事な天井画があります。この天井画は、ウルトラマリンの美しさを最大限に引き出し、見る者を圧倒する素晴らしさです。

現代におけるラピスラズリの価値

19世紀以降、人工的な青色顔料が開発されたことで、ウルトラマリンの使用は減少しました。しかし、その象徴的な意味は失われることなく、多くの画家たちによって再評価されています。現代アートにおいても、ラピスラズリは特別な意味を持つ素材として使用されることがあります。

HASUNAの今後の展開

2025年1月からは、ガーネットなどの人気の宝石に焦点を当てつつ、アートの話題も交えた新しい企画を予定しています。今後は参加型のコンテンツを増やしていければと考えておりますので、皆様からのリクエストやコメント、ご意見などぜひお気軽にご意見をお寄せください。ラピスラズリの深い青色は、古代から現代に至るまで、人々の心を魅了し続けています。HASUNAは、このような宝石の持つ魅力と歴史を大切にしながら、新しいジュエリーの世界を創造していきたいと考えています。

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